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堺の歴史と文化の記録「堺市史」


みなさん「堺市史」って見たこと、聞いたことありますか?

堺市立中央図書館に行けばあります。
いったいどんな書物なのかと言いますと・・・

昭和4年に刊行された堺の歴史の記録です。

実は、それ以前、明治34年に大阪市が「大坂市史」と言うのを作ったので堺市も作ろう!と言う機運が高まり「堺史」編纂がスタートしました。
しかし明治36年度の予算がつかず膨大な資料をまとめ上げた状態で刊行をみずにストップしてしまいました。
この資料は「堺史」の原稿にあたるもので「堺大観稿本」と言って今でも堺の昔を知る貴重な資料として保存されています。

私たちOmoroiさかいのページや活動でも堺市立図書館の許可を得て「堺大観」からの写真を使わせていただいたことが何度かあります。

そして大正12年、斉藤研一市長の時代に新たな体制で事業化されたのが「堺市史」です。

この「堺市史」がどのようにスゴイのかと言うと、堺の歴史を調べるための基本中の基本!この本を刊行するために膨大な資料の収集と整理、そして編纂があってこそ、今私たちが「知ってる」、「語られている」堺の歴史があると言っても過言でないくらいのものです。

正に堺の歴史バイブルなんですね。

今回の展示は、この「堺市史」を作るために集まったメンバー、集められた資料、どのようにして完成に至ったのかなどのエピソードなどを説明する展示がなされています。

今回の展示について学芸員の渋谷(しぶたに)さんが詳しく解説してくださいました。

さ~ッと流すだけではなんのこっちゃわからないことが、詳しく説明を聞きながら見ると「へ~!」「スゴイ!」を連発するほどすごい資料だと思いました。

まず、「堺市史」を作るにあたって、京都大学教授の三浦周行氏を中心に権威、知識、実績のあるメンバーが集まりました。

そして、その制作過程ですが気の遠くなるような作業だったようです。
と言いますのは、今のようにコピー機やデジカメが無い時代です。
誰かに資料を借りたら、それを写し取るのは全て人力です。そう!そのまま書き写すしかないのです。
スタッフの人たちが資料をひたすら書き写したそうです。

また、画像資料もコピーできないので、そのまんま同じように描き写しました。
今回の展示資料をスキャンした画像をご覧ください。
正に人間コピー、字体も色も、完全書き写ししています。
こんなことを延々行ったわけですよ。

これも模写した資料

そして写真もフィルムではなくガラス乾板

とにかく、膨大な資料とそれの書き写し作業は、ものすごい労力がかかったんでしょうね。

その資料を基に編纂チームが8冊の本にまとめ上げました。

そしてこの本の装丁デザインを担当したのが髙岡徳太郎氏。
表紙中央に帆船をデザインし表見返しには杉田勇次郎氏の堺八景が描かれています。

この高岡氏は、あの髙島屋の包装紙をデザインした人なんですって。

今回の展示では、「堺市史」ができるまでに集めた資料や書き写した資料がたくさん展示されています。

これらの資料類はどこにあったのかと言いますと、その多くが堺市立中央図書館です。
実はこの資料たち、ものすごい状態をかいくぐって現在に至ってます。

それは堺大空襲です。

当時堺市立図書館は宿院にありました。
堺大空襲で木造の図書館は全焼、しかし書庫だけが鉄筋コンクリート3階建てで入口に防護壁を設けていたので資料類が焼失せず残ったのです。
もし焼けていたら・・・と思うとぞっとしますね。

さて、堺の歴史で外せないことと言えば「南蛮貿易」です。
実はこの「堺市史」では南蛮貿易を一つの柱としてイメージ戦略を打ちたてたそうです。

どういう事かと言いますと、平たく言って「堺の南蛮貿易は堺市史が言いだしっぺ」というかんじでしょうか・・・

その資料としてまず三浦先生が目を付けたのが渡邊修二郎氏所蔵の「南蛮人渡来図」六曲屏風(焼失)を土屋秀禾氏が二幅の掛け軸に模写したものです。

この屏風絵を模写して

この掛け軸になりました。

これが「堺市史」刊行に伴い大正13年に開口神社で開催された「堺市史資料展覧会」では、足利時代の堺港の図として格別の扱いで展示されたそうです。

またその後、高島屋や近鉄百貨店などで開催された「堺市史」関連の博覧会でもこの絵が展示されて「堺=南蛮貿易」と言うイメージが定着していったそうです。

近鉄百貨店の展示会では、タイトルは「南蛮貿易と堺」、入口には南蛮人のマネキンが置かれ、この掛け軸の解説パネルには

“元亀天正時代から徳川初期にかけて堺の港は南蛮貿易港として栄え、ポルトガル、スペイン、オランダ、イギリス等の商船が続々入港し埠頭は国際色で塗り潰された 堺が最も繁栄したのはこの頃である。”

と書かれていたそうです。

今では堺灯台の横には巨大な南蛮貿易の壁画が描かれ、商店街にも南蛮貿易を表す図柄があります。

しかし・・・

現代の歴史研究では・・・堺に南蛮船が入港したとは考えられず・・・

以前、堺の歴史を研究されている中井正弘先生もそのように仰ってました。

実は・・・そもそもこの屏風図が堺であるかどうかも定かではないそうです。

え!アカンやん・・・

その後、河盛安之介市長の時代に合併を繰り返して大きくなった堺市の歴史をまとめた「堺市史続編」が刊行されました。

【ココからは私の勝手な意見】

しかし・・・せっかくがんばった、この南蛮貿易戦略がいまでは全くと言って活かされていないことが残念です。
完全に長崎に負けてます。

堺に行けば南蛮文化を味わえる。
堺に行けば南蛮人のコスプレのおっさんが歩いてる。
堺に行けば南蛮ラーメン、南蛮うどんが食べられる。(どんなんや(>_<)
堺に行けば南蛮渡来のお土産が買える

などなど

南蛮貿易の町と言っても堺で南蛮文化を感じられるのと言えば先ほどの壁画と南海バスのラッピングだけかも・・・
嘘八百でも、もっと、もっと・・・南蛮貿易を前に出して観光都市を目指してほしいなあと思ってます。

藤岡


堺市博物館

企画展:「わたしたちの歴史を編む」

令和元年11月16日(土曜)~12月22日(日曜)
休館日:月曜日(祝日の場合は除く)

〒590-0802 大阪府堺市堺区百舌鳥夕雲町2丁

 

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