長承寺・雷井戸

長承寺の正面・土呂幕の彫り物は、「長承寺・雷井戸」です。
この井戸は現存し大阪ミュージアムに登録されています。

大阪ミュージアム

どんな物語かと言いますと、昔長承寺村に雷が頻繁に落ちて村人が困っていました。

そこで「長承寺」の住職が境内に落ちた雷を捕まえて井戸に封じ込めたお話しです。

詳しくは以前Omoroiさかいに記事にありますのでこちらをお読みください。

Omoroiさかい:雷井戸

この地元に伝わる言い伝えを新調地車の正面に彫る!という事になったのにもドラマがありました!

元々長承寺のだんじりは「太平記」の場面で統一されていまして、新調のだんじりも「太平記」統一は大きなテーマでした。

なのに・・・わかっていながら・・・

彫り師前田暁彦氏が、長承寺にある「雷井戸」を正面土呂幕に彫らせてください!と言い出したのです。
依頼主である長承寺の役員さんたちは猛反発!絶対太平記統一!でした。

しかし地元にある言い伝えを彫ることにこだわった前田氏も譲りませんでした。

その熱意を感じ取った町会長が「前田君に彫ってほしい!と言ったのはお前らやろ!その前田君が彫りたい!と言うてんやから、彫ってもらおやないか!」と言ってくださったのです。

そして・・・スゴイのがココからです。

普通だんじりの彫り物って歴史絵巻など残されている絵図を参考にして彫り物の元絵を作ります。
しかし、この雷井戸の話って実話なのか空想なのか?とにかく参考になる図柄など全くありません。
それどころか「長承寺」と言うお寺がどこにあったのか、どんなお寺だったのかも全く資料が無い状態です。

それを前田暁彦氏は残された文章・・・と言っても先のページ

Omoroiさかい:雷井戸

の文章を元にこれを描いたのです。

やっぱり彼は天才ですね。

そして長承寺のだんじりの顔ともいえる大作が生まれたのです。

この彫り物がきっかけで、「前田は下絵なしでも彫れる!」と言う事が知れ渡り、下絵なしの空想上の物語彫り物依頼が増えつつあるそうです。