西区鳳にある“雷井戸”が「大阪ミュージアム」に登録
雷の季節です。
今年の夏は非常に暑く酷暑日が何日も続いています。そのためか、各地でゲリラ豪雨があり、それと共に雷もすごい様です。
今回はこの雷にちなんだ話題をご披露します。
この記事を書いているときにも遠雷が聞こえています。
昔の人にとっては雷と言うものの正体が分からずそれだけに恐れていた反面、雨を恵んでくれる大切な存在でもあった様であるが、現実の問題として家や田畑に雷が落ちる事により被害が出て困っていた様です。
その様な時代の話で、昔、長承寺村(今の西区鳳南町)には、家や田圃に家や田圃などに雷が落ちることが多く、村人たちは困り果てていました。
長承寺の住職はその難儀を見かねて、ある夏、境内に落ちた雷を法力を用いて捕まえ、井戸中に押し込めました。
雷は泣きだし「二度と落ちません」と謝りましたが、「落ちないのはあたりまえじゃ、それぐらいでは許すものか」と脅しかけたところ、「では旱天の夏に雨を降らせて差し上げます。『長承寺の雷はん』と何度か唱えてください。きっと降らせます」と誓いましたので、和尚は呪縛を解いてやりました。
それ以来、この地方には雷の災いから逃れるようになったといわれています。
(雷井戸の案内版より)
この雷を封じ入れたという井戸が今も薬師堂の前に、残っていて、土地の人は「長承寺の雷井戸」と呼んでいます。
雷井戸の伝説は各地に何ヵ所かある様です(伝説の内容は「長承寺の雷井戸」とあまりかわりません)が、この「長承寺の雷井戸」が大阪府の「大阪ミュージアム」に登録されている事に驚きを感じています。すごい事です。
「大阪ミュージアム」とは、府内各地にある歴史的な街並みや自然など、魅力的な資源を発掘・再発見し、輝かせることで、大阪の魅力をさらに高め、国内外に情報発信するものとの事。
余談
雷除けのおまじないで「くわばら、くわばら」と唱えると雷が落ちないと言われていますが、そのいわれは諸説ある様で、そのうちの一説として、雷を井戸に閉じ込めたと言う雷井戸の伝説の有る土地の名前が「桑原」であったからと言う事らしいです。
*土地の名前が「桑原」にある雷井戸
・大阪府和泉市桑原 西福寺の雷井戸
・兵庫県三田市桑原 欣勝寺の雷井戸
・長野県千曲市桑原 雷井戸(寺の名前不詳)
岩室